住宅業界の不都合な事実_「長期優良住宅」倒れる理由
〈目次〉
1.「長期優良住宅」=耐震等級2以上の定義とは
耐震等級1
震度6強から7程度で倒壊や崩壊しない (阪神・淡路大震災や熊本地震クラスの揺れ)
数十年に一度発生する地震(震度5程度)は住宅が損傷しない程度のもの。
耐震等級2 =長期優良住宅
耐震等級1よりも1.25倍の地震に耐えられる性能・耐震強度を定義。 ※公共施設の避難場所の基準
耐震等級3 =長期優良住宅
耐震等級1よりも1.25倍の地震に耐えられる性能・耐震強度を定義。
2.長期優良住宅は地震に強いのは本当か?
国の防災研究所で実証実験された動画をご覧ください。(1分36秒)
弁解は無益ですが、結果は有益です。
実証実験というのは、机上の空論を確かめることであり、それが現実です。
木材を金物でガチガチに固めれば長期優良だと言う発想がそもそも間違っているのです。
構造屋さんのポジョントーク
元々の構造計算は鉄と生コンの考えで硬ければ、硬いほど強いという計算です。
木材を鉄の素材のように均一素材と同じ扱いで計算することに無理があったようです。
3階建ての木造建物であれば構造計算書を作成することになります。
構造計算を行うことによって、構造屋さんはお金の報酬をもらう仕組みです。
この計算に意味がないのであれば、大きな問題になります。
今まで国がやってしまったこともあり、なかなか改定に至らないのが実態です。
3.熊本の地震において、なぜ長期優良住宅が倒れたのか
熊本の地震は、地震が2回きたから、、、そういう言い逃れが横行しています。
しかし同じ条件で、なぜ、耐震等級1が倒れないで、耐震等級3が倒れるのでしょうか?
建物を固めただけの木造住宅には限界があることを証明しています。
4.木材が折れている事実写真
金具がしっかり入っていても、木材が折れています。
木材を金物でガチガチに固めれば長期優良だと言う発想がそもそも間違っているのです。
調査は接合部の強度が弱いと報告されています。
この細い木材にこれだけの金具を打ち込むと、施工時点で割れが入る可能性があります。
機械乾燥した木材(KD木材)は、上に掲載の写真にあるように木の芯から割れています。
木材屋さんは、この割れのことを「芯割れ」と呼んでいます。
それに加えて、背割りを入れるので柱1本の強さが弱まります。
5.木材の強さを示す指標と現実
何故、そのような間違った学術が通っているかと言いますと、、、
「ヤング係数」という指標で、鉄と同じように固いほど木も強いという考えが通っているから、間違いが起こり続けています。
カチカチに固い木材にボルトを数多く打ち込めば割りばしのように木材は割れます。
KD木材のつなぎ手強度実験
新築の上棟の際に木材と木材を打ちこみます。
木材に粘りがないので、割れが発生しやすくなります。
カチカチに機械乾燥された割りばしのような木材は、釘を打ち込むとヒビが広がります。 地震がくると簡単にポッキリと割れるのです。
音響熟成木材の曲げしなりの実験
生木のように繊維質が残る木材は簡単に折れません。
木材細胞がウェハースのように残っていて、水分呼吸する木材の方が強いのです。
構造計算としては、木材の強度特性まで考慮していない(現実的にできない)。
6.本来の長期優良であるべき考え方
KD木材の長期性の弱点
今の住宅の木材のほとんどは、木を切ると釜に入れて強制的に機械乾燥させて出荷しています。木のエキスが飛んでしまっていますから、シロアリにも弱くなるため、乾燥釜に入れてから防虫剤や防腐剤を注入します。世間一般的に使われているKD材という木材です。
特別に木材の指定をしない限りは、KD材を使って家は建てられています。
臭いを嗅ぐと酸っぱい臭いがしますので、KD材は素人でも判ります。
合板材というボンドで固めた板が強いとされる問題
長期優良住宅の申請にするため、ボンドやノリで固めた構造用合板材を使用します。
短期的な数値では強いかも知れませんが、長く住んでいるとボンドが弱くなって来ます。
床がギーギーと鳴ったり沈んだりしている家があるので、その下にはボンドで固めた構造合板があり、経年によって接着力が弱くなって沈んでいるのです。
結果的に、20-30年後に床が沈んだりして大規模リフォームが必要になって、新築と同等のお金が掛かってしまいます。これが本当に長期優良とは思えません。
7.本当の意味で長期に渡って優良住宅にするには、、、
木材の乾燥方法
木材は機械乾燥をしない、自然乾燥させた木材を使うと家は強くなります。
木枯らしで乾燥させる方法は、木を切っても木が活きていて水を抜く乾燥方法なので、シロアリを寄せ付けない木材の脂成分が残っているかに疑念があります。(香りで判断)
家のバランス
設計図面で「偏心率」というのがあります。
家の中心を基準にして、駒が回る回転抵抗が少ないほど良いという考え方です。
バランス良く筋交いで建てた家ならば、家に柔軟性があって地震に強い。
設計をきちんとすれば、良い家は筋交いだけで倒れない家になります。
工事中の施工を見学 ←1番のポイント
設計が良くても、施工で固い木材に釘を何本も打ち込めば、建築段階で木が割れます。今の住宅のほとんどは、柱を壁で隠す(大壁)という方法が主流ですので、建ててしまえば、壁の中の木材は解体しないと判らないようになります。
新築を検討する段階で、工事中の現場を見学をすることが最も重要です。
工事中の現場に入ると、良い材料を使っているかは臭いでも分かります。
工事中の見学は、フローリング材の材質、断熱材の材質、壁材、などなど、様々な建材を細かくチェックすること出来ます。
コージーベースは新築のご検討段階で建築中の見学会のご案内をしています。
新築の工事段階でお施主様へ鍵をお渡しをして、見学もしながら家を建てています。
≪記事執筆者≫
コージーベース株式会社
代表取締役 松本好司
松山市生まれ。富士通に在職中は社長表彰をはじめ26年間で28回の経営表彰を授与。
その後、広島県庁の特別職として経営企画アドバイザー、国の研究機関のプロジェクトマネジメントアドバイザー、公立大学の経営大学院(MBA)の新設などの公的職務を歴任。
その後、建築学科がある学校法人の顧問、専門委員などに就任し、科学的知見をもって健康で安心な保育園の設置アドバイザー、健康自然素材の健康住宅の事業を行っています。
愛媛県で新築注文住宅をご検討の方、漆喰と無垢の家についてお知りになりたい方は、いつでもお気軽にお電話ください。約2時間あれば、簡単に一通りのご説明は出来ます。
資料請求もホームページから承っております。